2015年06月12日

あのパズルは今? 〜ナンロー編〜

半袖:
こんにちわ。
本日より始まりました新番組「あのパズルは今?」レポーターの半袖です。

ニコリ本誌に現在掲載されているレギュラーパズルは、わずか10数種類。
これまで数百の新作オモパが生まれてきたにもかかわらず、その多くは別冊の隅に追いやられたり、Webのどっかに細々生息したり、といった日陰の人生を歩んでいます。

本番組ではそんな、日の当たらない人生を歩んでいるオモパにスポットを当て、なぜスターダムにのし上がることができなかったのか。そして今は何をしているのか。パズル本人への直撃取材という形でレポートしたいと思います。


ということで本日取り上げる「あのパズルは今?」は、ナンロー。
2000年に発売されたニコリ92号に掲載されたオモパだ。
領域内にぬりかべのような感じで数字を入れていく、マニアックな解き筋が人気となったパズルである。
誕生から15年。いったいナンロー氏は今なにをしているのだろうか…
ちなみにナンローはこんなパズルです

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取材陣が向かったのは、都内某所。
オフィスビルが立ち並ぶ一角に、壁一面に数字が描かれた建物が立っている。


半袖:
ナンロー氏はどうやら現在、このオフィスで働いているんだそうです。
いったい何の会社なんでしょうか。
それでは中に入ってみましょう。


恐る恐る建物に入る半袖。
彼を待ち構えていたのは・・・?


???:
やあ半袖君。いらっしゃい。


半袖:
あなたはもしや・・・フィルオミノ氏!?


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そう、ここはフィルオミノ氏が経営している、"株式会社数字入れパズル"。
フィルオミノ氏はこの会社の会長を務めているのだ。



フィルオミノ:
ようこそ私の会社へ。さあ、中へどうぞ。


半袖:
フィルオミノさんが会社経営をされているなんて、全然知りませんでした!
それではお邪魔します。



半袖氏が通されたのは数字パズル社の応接室。
そこにはニコリでこれまで発表された、数々の数字系パズルが飾られていた。


フィルオミノ:
この部屋は、歴代の数字パズルのショールームにもなっているんだ。
どうだ、壮観だろ?


半袖:
はい、数字ばかりで目がクラクラしてきますね・・・
なつかしいパズルもちらほら。
ところで株式会社数字入れパズルでは、どんな仕事をされているんですか?


フィルオミノ:
おもにニコリ社の出版物向けに、フィルオミノを中心とした数字パズルを制作している。
カックロ社や数独社とも連携して、厳しい市場の中いろんな問題を発表してるんだ。


半袖:
へぇー、そうなんですねー。


フィルオミノ:
僕はこの会社の3代目の代表をやっている。
おかげさまで経営は、昇り調子とはいかないまでも、そこそこ順調だよ。


半袖:
フィルオミノはいまでも人気のパズルですもんね。
私もよく御社のフィルオミノを解かせていただいてます。

ところで、本日こちらにお伺いしたのは・・・


フィルオミノ:
あぁ、聞いているよ。
ナンロー君の取材だろ?


半袖:
はい。
ナンローさんはいまこちらの会社で働いていらっしゃるんですか?


フィルオミノ:
そうなんだよ。
案内するよ。




応接室をあとにした半袖氏は、フィルオミノ会長の案内で地下1階に通された。
そこは様々な機械が鎮座する、出版社の印刷場のような空間だ。



半袖:
なんだか工場みたいな部屋ですね。
こちらでは何をされているんですか?


フィルオミノ:
このフロアでは、出荷用のフィルオミノの枠を印刷している。
サイズは10×10、17×17など定型サイズが中心だ。


半袖:
へぇー、パズルの枠作りって、すべて機械でオートメーション化されているんですね。
知りませんでした。


フィルオミノ:
どこの会社もこんな感じだと思うよ。
そしてあそこで検品作業をしているのが・・・


半袖:
・・・!?



全身白い作業服に身を包んだその男性。
15年の月日は感じさせるものの、まさしくナンロー氏その人だ。



半袖:
ナンローさん、こんにちわ!
おひさしぶりです!


ナンロー:
半袖さんこんにちわ!ナンローです。
いやー、15年ぶりですかね。


半袖:
ひさびさに会えてうれしいです!
ちょっとお話を聞かせていただいてもよろしいですか?



ナンロー氏は現在、株式会社数字入れパズルで働いていた。
このラインに入ってすでに10年あまりになる、大ベテランだ。



ナンロー:
私は今、フィルオミノの盤面の検品ラインに入っているんです。
17×17の盤面が16とかになっていないか、インクはにじんでいないか。
機械で判別できないところはどうしても手作業になってしまうんですよね。


半袖:
職人の技ですね!
さすが数字系パズルで一世を風靡しただけのことはあります。


ナンロー:
いやいや、私なんてまだまだですよ。
今はまだフィルオミノ制作とはいえ、枠を作っているだけですし。
将来的には数字入れの部署で働きたいという夢がありますね。
やっぱり花形の部門だし、フィルオミノ作りにはナンローの手筋なんかも応用できますから。



将来の夢を生き生きとした目で語るナンロー氏に、半袖氏は少し胸をなでおろした。



フィルオミノ:
わが社では多くの数字パズルOBが働いているんだ。
みんな今ではより良いフィルオミノを作ろうと、目標に向かって頑張っているよ。
ほら、あっちで数字入れ作業をしているのが・・・


???:
半袖さん!お久しぶりです!


半袖:
も、もしかして、、、数コロさん・・・!?


数コロ:
いやー、ナンロー君なんかより僕の方がよっぽど「あのパズルは今?」だよ。(笑)


ナンロー:
数コロ先輩もいっしょに、僕らのなにがいけなかったのか語りましょうか。(笑)



応接間に戻り、過去の自分を語り出すナンロー氏と数コロ氏。



ナンロー:
今思い返せば・・・
ちょっとマニアックすぎたのかな。。。


半袖:
手筋のことですね。
でもナンローっていろんな難易度の問題つくれるし、僕は好きでしたよ。


フィルオミノ:
いいパズルの条件は、作り手・解き手それぞれに人気がでるパズルだ。
上から目線で申し訳ないけど(笑)。
ナンロー君は確かに作り手人気は高かったが、マニアックな手筋が災いして解き手の人気がいまいち上がらなかったのが失敗だったよね。


数コロ:
2×2カタマリ禁止ルールとか隣接禁、他のパズルと似た手筋が多かったのも不運だったかもね。


ナンロー:
そうなんです。
僕らしさ、ナンローらしさとは何なのか、を自問自答する日々でした。
だんだん投稿も少なくなって、ちょっと当時はつらかったですね。


半袖:
数コロさんはご自身のことをどうお考えですか?


数コロ:
僕は今でも、数コロというパズルはいいパズルだと思っているんです。
でも、、、やっぱりフィルオミノ君には勝てなかったな。


フィルオミノ:
数コロさんは僕の2つ上の先輩なんだ。
僕がここまで来れたのも数コロさんのおかげだと思っている。


数コロ:
しょせん僕は4までの数字しか使えませんからね。
フィルオミノ君みたいに、いきなり25発生!みたいなドラマチックな展開にできない。


一同:
(笑)

半袖:
でもなんか、みなさん今では楽しく働いていらっしゃるようで安心しました。


数コロ:
僕もそうだしナンロー君もそうだけど、フィルオミノに応用できる手筋っていろいろあるんだ。
今は僕たちの過去の財産をどうやってフィルオミノに活かしていくか、みんなで日々考える毎日ですよ。


フィルオミノ:
なんてったって我が社は、芽の出なかった数字パズルがうじゃうじゃいるからなぁ。(笑)



実際取材中にも職員たちが「半袖さんお久しぶりです!」と声をかけてきた。
しかしその多くは名前が思い出せぬ、マニアックな数字パズルたちであった。。。



半袖:
それではナンローさん。
最後に視聴者の方へメッセージを。


ナンロー:
みなさん、僕のパズルを楽しんでいただきありがとうございました。
幸いナンローは、Web上に有史の方が制作ツールを残してくれました。
これからも細々と応援していただければうれしいです。


半袖:
きっとフィルオミノに続く数字系パズルが、今後も出てきてくれるはずです。
フィルオミノ社の未来に期待ましょう!



あのパズルは今?では、番組で取材してほしいパズルを募集しています。
あなたの思い出エピソードと合わせて半袖までご応募ください!

※この物語はフィクションです。
登場人物は実際のパズルとはあまり関係がありません。

posted by 半袖 at 18:51| Comment(1) | TrackBack(0) | パズル