2019年12月13日

あのパズルは今? 〜2019年2軍パズル編〜

半袖:
皆さんお久しぶりです。
パズル界の歴史を本人たちへのインタビューで綴るドキュメンタリー番組「あのパズルは今?」レポーターの半袖です。
これまで2回にわたり(1回目:ナンロー編)(2回目:座談会編)、過去に一世を風靡したパズルたちにインタビューを行ってきた本番組。
今回は過去2回と趣向を変えまして、2019年現在最前線で活躍する新パズルに登場いただき、いろいろお話を聞いていきたいと思います。



2017年1月以来、約3年ぶりの放送となる本番組。
過去のオワコンオモパにスポットを当てても視聴率が上がらないことに気付いた我々は、当初の番組コンセプトを吹っ飛ばし、現役の人気パズルたちを出演させる荒療治に踏み切ったのであった。


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それではさっそく登場いただきましょう。
人気パズルのみなさんです!




ミッドループ:
はじめまして、ニコリ162号でデビューしたミッドループです。
本日はよろしくお願いいたします。



ぬりみさき:
ニコリ163号でデビューしました黒マスぬりパズル、ぬりみさきです。
よろしくお願いします。



ダブルチョコ:
同じく163号でデビューしました、ダブルチョコです。
好きな食べ物はチョコです。



半袖:
皆さん初々しくていいですね!
本日はよろしくおねがいします。

それでは早速インタビュー会場へ向かいましょう。
どうやらカラオケスナックらしいのですが・・・



新人パズルたちを乗せたロケバスは、都内某所のカラオケスナックへ向かった。
店内からは賑やかな声が漏れている。


半袖:
ここみたいですね。
ちょっと嫌な予感がしますが・・・
(カランコロン・・・)




店員:
いらっしゃいませ。あら、半袖くんじゃない。
だいぶ前から出来上がってるわよ。


????:
おぅ、おせーよ半袖。まあ座れや。





スナック「ゴールは5」のVIP席にいたのはやっぱりこの人、第2回でも登場したナンスケ氏だ。


ナンスケ:
新人パズルのみんなよろしくな!
ゴメン顔と名前が一致しないわwww


半袖:
ということで新人パズルのみなさん3名と、パズル界のご意見番・ナンスケさんとの対談という形できょうはインタビューを進めさせていただきます。
ナンスケさん、どうぞお手柔らかにおねがいしますね。


ナンスケ:
よーし、じゃあ誰から歌うんだ?



インタビューの前に(予想はしていたが)ナンスケ氏とのカラオケ大会が始まった。
80年代歌謡曲を歌いこなすぬりみさき、Perfumeの「チョコレイト・ディスコ」を完コピで踊るダブルチョコ、盛り上げ役に徹するミッドループ。新入社員時代の自分を見るようで半袖は胸が痛んだ。
カラオケは約3時間ほど続いた。


半袖:
それではそろそろ・・・本題に入りましょうか?


ナンスケ:
そうだな、今日は楽しかったよ。
また来てくれよな。
・・・って、そうそうパズルの話だったな。笑


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■新人パズル@:ミッドループ

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なんとなくそんな気はしていたのですが、ナンスケさんは今日来ている新人パズルを一度も解いたことがないそうです。ということで、まずはルールを聞いて解いていただき、率直な感想を伺ってみたいと思います。
まずはミッドループ君から。


ミッドループ:
ナンスケさんに解いていただけるなんて光栄です!
よろしくお願いします。


ナンスケ:
おぅ、よろしくな。


ミッドループ:
ルールなんですが、小さい●をつなげてひとつながりのループを・・・


ナンスケ:
んーどれどれ・・・
・・・って、あーごめん●が小さすぎてよく見えねーやww



ナンスケ氏は胸ポケットからハズキルーペを取り出した。
最近のスナックでの持ちネタのようだ。


ナンスケ:
こことここをつないで・・・
よーしできた!
視力は落ちてもパズルの腕は落ちてないな。笑


半袖:
ミッドループはいかがでしょうか。


ナンスケ:
うん、おもしろいんじゃね?
●のとこの線の動き方も独特だし。
・・・ってあれ?もっと辛口でご意見番なかんじにしないといけないんだっけ。笑

あえて言うならまあ、ちょっとチマチマしてるわな。
リンク系パズルってもっとサクッと線を引きたいじゃん。


半袖:
そのあたりは私も問題を作っていて気になる部分です。
どうしても軽い解き筋にできないんですよね。


ナンスケ:
重いわけじゃないんだけどな。
●の両端を見なきゃいけないから、どうしても速度が遅くなる。ただ、このあたりは他のパズルにはない味があるし、そんなに気にする必要はない気がするね。


ミッドループ:
レギュラーを取るには、軽い展開も追求したほうがいいんでしょうか?
たとえばスリリン先輩やましゅ先輩のように、小ループ禁で小気味よく展開を作るとか。


ナンスケ:
いやー、それはあんまり考えないほうがいい。
ループ系パズルのやつらって結局小ループ禁に頼っちゃうんだよ。それで飽きられて消えていく。
・・・ほら、あそこのカウンターで飲んでるやつもループ系のパズルなんだけどさ、何のパズルかまったく思い出せないだろwww


ミッドループ:
ナンスケさんありがとうございます!
これからも自分ならではのよさを追求していきたいです。



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■新人パズルA:ぬりみさき

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続いてはぬりみさき君です。


ぬりみさき:
ナンスケさんよろしくおねがいします!
ルールが長くて覚えてもらえないのが欠点でして・・・


ナンスケ:
おぉ、どれどれ・・・丸の中の数字は白マスがいくつ伸び・・・あー大丈夫大丈夫。アレとアレとアレ組み合わせればいいんだろ?おじさんこういうパズルは慣れてるからなwww
よしよし解けた。これは解きやすかった。
岬ルールが独特だね。


半袖:
岬ルールならではの決まり方が新鮮ですよね。
ただ、その他の部分はバッグとか黒どことか、似ている部分が多いのかなぁという印象はあります。


ナンスケ:
どっちもニコリだとオワコンパズルだしいいんじゃね?笑
おもしろい手筋の部分だけ盗んでいけばいいんだって。
・・・うーんでも、確かに岬ルール部分以外の手筋には既視感があるかもだな。


ぬりみさき:
そうなんですよね・・・そのあたりは自分も悩んでます。
最近はネットのパズル作家の方々にこんな手筋も開発していただいてるんですが・・・



ぬりみさきはタブレットで「パズルスクエア」のぬりみさき問題をナンスケ氏に見せた。いわゆる「むりみさき」と呼ばれる、ぬりみさきの発展形手筋の数々である。


ナンスケ:
ゴメンまったくわかんねーわwwww
でも盛り上がってるみたいだし、これはこれでいいんじゃね?


半袖:
ニコリ本誌にはおそらく載らないであろうところがもったいないですけどね。


ナンスケ:
まーニコリ向きじゃないだろうな。
でもたとえニコリに載らなくたって、ネットで世界に拡がればそっちのが楽しいかもしれないじゃん。

マニアックなパズルがニコリで大成しないのは長年の傾向だけど、某LITS先輩とかを反面教師にして(笑)、ぬりみさき君ならではの未来像を掲げていくのがいいとおもうよ。


ぬりみさき:
ありがとうございます!まずはニコリ本誌レギュラー化を目標に、その後のビジョンも思い描いていきたいです。


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■新人パズルB:ダブルチョコ

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最後はダブルチョコさんですね。


ダブルチョコ:
ナンスケさんよろしくお願いします。
ホワイトチョコとビターチョコを同じ大きさに切り分けていき、きょうはどっちを食べようかしら、1日頑張った自分へのご褒美でどっちも食べちゃおっかな、というスイーツ脳なパズルです。


ナンスケ:
おう、いいねいいねそういうの好きだよ。笑
さてさて、ここをこう切って・・・
なるほど、うーんよくわかんないパズルだな。四角に切れっぽい部分もあるけど、アプローチ的には違うほうから攻めてる問題が多いかもしれないな。


半袖:
問題によって印象がガラリと変わるのが特徴かなと思ってます。
2020年のパズル・ザ・ジャイアントにも掲載が決まってまして、今回の3パズルの中では一番レギュラー化に近いパズルかもしれません。


ナンスケ:
まー、某N社の押しはそんな信用しないほうがいいぞ。二軍で長年温めたのが昇格すると思いきや、いきなり昔のパズルが復活してきてレギュラー化したりするからな。笑
でもニコリが押してるってことは解き手人気が高いってことだから、将来有望なのは間違いないね。


半袖:
ダブルチョコさん自身は将来についてどう考えてますか?
なんか採用面接みたいですが笑


ダブルチョコ:
突然発生系の手筋にまだまだ可能性がありそうなので、いろいろ研究している最中です。


ナンスケ:
突然発生系はなかなか難しいんだよな。有名なのはフィルオミノだけど、あれも定着するのにかなりの年数が掛かった。フィルオミノの場合は2軍で長いこと過ごしたからそのへんが解き手にも受け入れられたんだけど、いきなり難手筋を推していくことで解き手離れにもつながる可能性がある。難しい問題は分かる人じゃないと解けないからね。
・・・あれ?オレなんかが手筋うんぬんを熱く語っちゃうのはキャラじゃないな。笑


半袖:
いろんな人がいろんな問題を作ったり解いたりして、パズルの土台が出来上がっていくんですね。


ダブルチョコ:
ありがとうございます!ここにいるライバルに負けないようがんばります。


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■ナンスケ「二軍コーナーにいることで地力が付く」

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ということで、3つの新パズルとナンスケさんとの対談をしてまいりました。
ナンスケさん、振り返ってみていかがでしょうか?


ナンスケ:
うらやましいよねライバルがいるってのは。
オレが新人の頃なんてアレだよ、オモパコーナーなんてものはなかったし、野球で言えば河川敷でひたすら素振りしてるようなもんだよ。笑


半袖:
オモパコーナーの二軍は必ず3〜4種のパズルが競い合ってるので、外から見ている分にはおもしろいですよね。同期のパズルが一緒に昇格したり、はたまた全部いなくなっちゃったり。


ナンスケ:
レギュラーになるってひとつの目標ではあるんだけどさ、ニコリ本誌に毎号載ってるのってカックロスリリン数独くらいなんだよね。人気のへやわけとかでも隔号だし、そこまで人気じゃないパズルは1年間載らないこともある。LITSなんてオリンピック以下の掲載頻度だもんな。笑
そのへんを考えると、毎号掲載が約束される2軍コーナーってのは実は、パズルの地力をつける最高の環境なんだよ。下手に早めに1軍昇格しちゃうと、パズルの基礎ができないまま人気が下がっちゃう。まー、某ヘルなんちゃらとかだな。笑
ゴメン、これ以上やってるどどんどん失言でてきそうだから終わろうぜ。笑


半袖:
ヘルなんちゃらも人気パズルだぞ、というフォローを入れて本日は終わりたいと思います。
ナンスケさん、新人パズルの皆さん、本日はありがとうございました。


新人パズルたち:
ありがとうございました!

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あのパズルは今?では、番組で取材してほしいパズルを募集しています。
あなたの思い出エピソードと合わせて半袖までご応募ください。

※この物語はフィクションです。
登場人物は実際のパズルとはあまり関係がありません。
posted by 半袖 at 19:21| Comment(0) | TrackBack(0) | パズル