
いきなり図面ですが上図。
ヤジリンではおなじみの「数字いっこ飛ばし」配置です。正式名称があるのかはわからない。
上図のように配置法は2種類あり、

それぞれこのように決まります。
盤面中央に入れても単独で線と黒マスが決まる、とても使い勝手のよい手筋です。
この右側を組み合わせた配置として、下図。

こちらが本日の記事のテーマ手筋です。
まーただ並べただけなんだが。けっこう有能なんですこれが。
いかに有能なのか、ポイントを4点ほど挙げてみます。
【ポイント1】盤面中央に壁を作れる

上記配置の確定マスを赤線で囲ってみました。
この3×5のカタマリの中に今後黒マスや線が発生することはありません。盤面の中央に「壁」ができたような状態になっているわけですね。
この壁を作っておくと、ヤジリンのような外周以外のマス確定に苦慮するパズルでは展開の制御がとても楽になり、制作を進めやすくなります。
【ポイント2】線の先端を移動できる

上図のような展開を迎えているヤジリンがあるとします。あくまで例ということで。
線の先端が盤面の両端に離れており、ここからループ禁に誘導するのは難しそうに思えます。
ここで例の配置をいれこんでみましょう。

片方の先端を強制的に上に移動させ、ループ禁への誘導も望めそうな展開になってきました。
このように線の先端を自由に遠くへ移動できる手筋は、ループ系のパズルにおいて貴重な存在です。
【ポイント3】発生した黒マスはすべて数字に依存しない黒マス
この配置ではいくつかの黒マスが入りますが、すべて矢印数字に差されない、突然発生の黒マスです。
しかも好都合に同じラインに黒マスが連続するため、

上図のように、黒マスの個数を使った新たな展開にもっていくことが可能です。
【ポイント4】2つ配置による波及効果

2つを幅2列離して入れてみた配置です。
黒マス1個飛ばしがそれぞれずれた位置に入っているのがポイントで、

間に黒マスが入ると線がジグザグに展開。

間の2マスを寸断すると小ループ禁の線が左右に発生します。
上記2つの展開をそのまま使ってもいいし、上下の壁にスキマを作って導線を組み替えてみるのも、思いもよらぬ展開が発生したりでおもしろいです。
ちなみに冒頭の図の「2→」「1→」のほうを間に入れると、直進していた線が黒マスにぶつかり90度曲がるので、また別の展開に誘導することができます。
174号のSGはこの展開の啓発キャンペーンとして解いてて飽きるほどに使ってみたわけですが、応用形はまだいろいろありそうな気がします。ぜひぜひみなさんご活用ください。